行動は変えられる⑨
もっと成果をあげたい。
もっと効率よく仕事がしたい。
と思うことはありますよね。
ところが実際に
自分の仕事の仕方をどのように変えたら
今よりも良い結果があげられるのかを
見つけ出すことは難しいものです。
なぜなら自分の行動は見ることができないからです。
だから人からのフィードバックから
自分を省みて行動を変えることが効果的です。
実際企業でも期初に目標設定して
期末にフィードバックを行うことで
もっと成果をあげたり、
人材育成を行ったりしています。
いわゆる評価者面談です。
ところがなかなか思ったような結果が
得られていないのではないでしょうか。
実は行動分析学的には
あまり効果が上がらないようなフィードバックを
行っていることが多いのです。
例えばこんな面談をしていることはないですか。
上司:「今期の目標達成状況について
自分としてはどう評価していますか?」
部下:「達成率は9割の未達でしたが、
チャレンジングな目標でしたので
まずまずだったと思います。」
上司:「今期のよかった点と改善したい点を
教えてください。」
部下:「よかった点は前もって計画をたて
それを実行できたことです。
改善点は計画通りに行かなかった時に
何の改善もせずにひたすら計画した行動を
繰り返してしまった点です。
来期はうまくいかなった時には振り返って
行動を見直そうと思います。」
上司:「今回は確かにチャレンジングな目標でしたので
未達でしたが、それなりに評価しています。
確かに思ったような結果を得られていない時に
行動を改められなかったことが
この結果につながったかもしれませんね。
来期はぜひ行動改善をお願いします。」
ってこんな感じです。
この面談、何がいけないのでしょうか。
実は成果につながる行動が
明確になっていないことが問題です。
成果につながる行動は一つではありません。
具体的に何をしていたかを分析し、
成果につながる行動を特定することが大切です。
そして成果につながる行動が特定されたら
今度は自分がその行動をどのくらいの頻度で
行っているかを測定することです。
そうすれば成果につながる行動を
どのくらいの頻度で行うかの目標が定まり、
その行動を管理することで
確実成果が出せるようになるのです。
例のような面談では
成果につながる行動が明確になっていないため
今年と同じように来期も行動できたとしても
本当に成果が出せるかはわからないのです。
フィードバック
対象
観察できる行動
測定
成果につながる行動の有無および量
成果につながる行動は一連のステップによってなされる。
このためどの行動がどのくらいなされたかを
測定する必要がある。
フィードバックの頻度
行動分析学では個々の行動に対してフィードバックします。
そのためフィードバックは行動直後に行うのが理想です。
それぞれの行動ができたか、できなかったか、
1日うちで何回できたか、
行動を測定しながらフィードバックする際には
1日ごとのフィードバックが一般的です。
強化のきっかけ
上記のような行動のフィードバックを行う場合は
次に同じ行動をする直前に行うことが効果的です。
また賞賛・叱責などの感情表現は好子や嫌子になりやすいため
行動の直後の賞賛・叱責は行動の強化や弱化になります。
感情表現はそのことを理解して使う必要があります。
効果的にフィードバックを活用して
よりよい行動を手にいれましょう。
参考図書
行動分析学マネジメント
人と組織を変える方法論
舞田竜宣 + 杉山尚子 著