行動は変えられる⑦
一緒に仕事をする仲間同士、
気持ちよく仕事をしたいものです。
ところが相手のちょっとしたことが
気になってイライラすることはありませんか。
一旦気になりだすとそれがストレスになったり、
場合によっては業務に影響が出たりする事に
つながります。
ちょっとしたしぐさ、しゃべり方など
些細なことが思わぬ影響を相手に与えるものです。
以前こういうことがありました。
それはグループメンバーに
しゃべり方にある癖を持つ人がいました。
その人は話をする際に主語や目的語を
省略して話をする癖を持っていました。
いつも唐突に主語と目的語を抜いて話が始まります。
本人は一生懸命に話をしているのですが
いきなり話が始まるので何の話かを考えてしまい
話の内容に集中することができません。
こうなると内容をスムーズに理解できないため、
何度も話を確認したり、聞き返したりしなければ
ならなくなりました。
本人も自分の話がスムーズに理解されない事に
苛立っていました。
そのためお互いに話をすることが大きな負担となり、
とてもストレスを感じるようになっていました。
そこで私は主語と目的語を話のはじめに
話してほしいとリクエストしました。
ところがはじめのころは
「主語と目的語は話しているよ。」
と言っていつもすぐイライラしてしまいました。
しかしその人は仕事をスムーズに進めるためには
自分の話し方をなおす必要があると考えなおして
話し方をなおそうとしました。
ところが意識してもそう簡単には直すことは
できませんでした。
特に何かを発見して「これだ。」
と思うような考えを話すときは
つい主語と目的語を省いてしまいました。
そんな時はすかさず
「主語と目的語は何?』と聞くのですが、
「話しているよ。」と言ってイライラしていました。
それでも根気強く話し方の癖を直そうとしました。
はじめのうちはイライラしていましたが、
徐々にイライラは出なくなりました。
そのうち、「またやってしまってたね。」と言って
主語と目的語を話してくれるようになりました。
そのおかげでお互いイライラしながら話していた会話が
今ではスムーズに進むようになりました。
実は癖を直すにも仲間と協力すると直しやすいのです。
この時なかなか直らなかった悪い癖を
直すためにやったことは
行動分析学のプロンプトです。
プロンプトとは
正しい行動を定着させるために
その行動の直前に正しい行動を促す行動を
することです。
例えば、話をする前に
『何についての話ですか』と
主語を抜いて話す癖がある人に
まず問いかけて確認をします。
『○○の件だけど、、』と答えてくれたことに
ニコリと笑って、理解したことを示します。
正しい行動がとれたことを強化する
好子のフィードバック(笑顔、うなずきなど)を返しましょう。
これを繰り返すことで
話はじめにまずこれから話すテーマを話せるようになるのです。
仕事は互いに気持ちよくしたいですよね。
問題行動を取っているのはあいつだから、
自分は関係ないと思うのではなく、
互いに協力していい行動習慣をつくるようにしましょう。
参考図書
行動分析学マネジメント
人と組織を変える方法論
舞田竜宣 + 杉山尚子 著