行動は変えられる⑤
行動できていないなぁとか、
うまく物事を進めていないなぁとか
思うことってありますよね。
そして何となく原因もわかっているんだけど
一向に改善しないということはないでしょうか。
何となくぼんやりと思っているだけでは
この状況は一向に改善しません。
問題となっている行動を特定して
行動を変えなければ同じ状況が
繰り返されてしまいます。
例えば、
イベントでお客様にくばる商品の用意を
頼まれました。ところが直前になって
商品が足りないことが判明し、
余計なコストと手間をかけて
商品を準備することになってしまいました。
これはたまたま商品が足りなかったから
起こったことでしょうか。
もしこのように考えているとしたら
同じようなことが繰り返し起こってしまうでしょう。
ではこのケースの問題行動は何だったのでしょうか。
ひとつの仕事を終わらせるには
いくつもの行動から成り立っていることが
ほとんどです。まずは今回の商品準備で
必要な行動を洗い出してみましょう。
今回の商品準備でやらなければいけないことは、
- お客様の人数を確認する。
- 商品の在庫数を確認する。
- 商品が足りない場合は追加発注する。
この仕事でのポイントは
商品が足りなかった場合を想定し、
商品の追加発注から納品までの時間から、
いつからこの仕事を始めなければいけないかを
考えることでした。
ところが忙しさにかまけたことと
商品在庫も多分余裕があるだろと
たかをくくったことで、
この仕事を後回しにしてしまいました。
おそらくこの仕事を依頼された時に
大した仕事ではないと思ったことでしょう。
そしてこの仕事なら1日あればできるとも
思ったでしょう。
確かにお客様の人数と商品在庫の数を確認して
商品を準備するだけならば1日もあれば十分です。
しかし最悪を想定するなら追加発注までも
想定して行動しなければいけなかったのです。
ところが人数と在庫を確認する前に
「多分大丈夫だ」と判断してしまったのです。
おそらくこの仕事で必要な具体的な行動を
きっちりと洗い出していなかったのでしょう。
ちょっとした仕事だと思っても
細かい作業に区分けしてみると
思いもつかない作業が見つかるかも
しれません。
行動分析学では一連の複雑な行動を
個々の行動にブレイクダウンすることを
課題分析といいます。
問題となっている行動が確認できたら
その行動の改善に取り組みます。
今回のケースでは
まずはじめに状況を正確に把握すること、
そして最悪を想定したスケジューリングで
行動する習慣を身に付けることで
問題を改善できます。
ぼんやりともっと早く仕事しておけば
よかったではおそらく同じことを
繰り返してしまうでしょう。
課題分析をすると
中には苦手な仕事が見えてくることもあるでしょう。
そういった問題行動を解決する方法を
パフォーマンス・マネージメントといいます。
パフォーマンス・マネージメント
- 口約束ではなく、文書にし、
管理者と改善の約束をする。
・何をいつまでにするか
・行動した場合、しなかった場合に何が起こるか - 効果的な好子・嫌子を見つける。
本人の意見を入れ効果的な好子を設定する。 - パフォーマンスは最低でも週に1度はチェックする。
週でチェックができないケースでは
パフォーマンスが必要な時には
チェックするなどこまめなチェックが必要です。 - ルールを規定する。
何をどれだけするとどう報われるのか
しなければどのような報いが待っているのかを
はっきりさせる。
意外と自分の問題行動が
明確になっていないのではないでしょうか。
自分の問題行動を明確にしないとどうなるでしょうか。
自分で自分の首をしめることになってしまいます。
いつまでたっても仕事が減らず、本当に必要な仕事に
時間を使えず、緊急対応ばかりで忙しいということに
なってしまいます。
いかがでしょうか。
わかっているようでわかっていないことはあるものです。
ちょっとした事にも課題分析やってみてはいかがですか。
今よりもパフォーマンスが必ず上がりますよ。
参考図書
行動分析学マネジメント
人と組織を変える方法論
舞田竜宣 + 杉山尚子 著