人をやる気にさせるものには
いろんなものがありますが、
あなたは行動を起こすとき
どんな理由で行動を起こしていますか。
楽しいからとか、
自分にとっていいことがあるからなど
何か自分にとってメリットがある場合や、
行動するように言われたからとか
困ったことになりたくないからとか
行動しないことでデメリットがある場合など、
さまざまな理由があるでしょう。
人に行動を起こさせるものを動機づけといいます。
どうきづけ【動機づけ motivation】
生物を行動に駆りたて目標に向かわせる内的な過程。
モティベーションともいう。
すなわち,
(1)生物になんらかの不均衡状態が生じると,
(2)これを解消しようとする内的状態(動機motiveまたは動因drive)が起こり,
(3)目標に向かって行動がひき起こされる,
という過程をさす。
さらにこの用語はそのような過程を
効果的にひき起こすための操作の意味でも使われる。
コトバンクより
内発的動機づけと外発的動機づけ
動機付けには、
内発的動機づけと外発的動機づけとがあります。
内発的動機づけは、
自分の内面から「やりたいからやる」という意欲が
わきあがることです。
自分で自分を動機づける内発的動機づけは
創造性、責任感、健康な行動、変化の持続性と
いった点で優れています。
外発的動機づけは
自分の外側から意欲を引き出すこと。
例えば成果に対する評価や報酬、
あるいは称賛や罰則などです。
報酬や統制といった外発的動機づけは
単純なルーティンワークや
多くの創造性や変化を求めないときには
遂行のスピードが増します。
できるだけ内発的動機づけを持とう
内発的動機づけでの行動は
自らやりたくて行動するので
行動を起こすことはたやすいですが、
対する外発的動機づけからの行動は
外圧により行動を起こすので
行動を起こすという点では
内発的動機づけより起こしにくいです。
このため例えば、ご褒美を設定したり、
評価を得ることを目標にしたりといったことで
行動を起こそうとします。
ところがこういった外発的動機づけは
一時的には行動を起こす原動力になりますが
目標にたどりつくまで行動する気力がもたなかったり、
目標達成したら、それ以上を目指さずに
そこで行動をやめてしまうことがあります。
また外発的動機づけは内発的動機づけを
低下させることもあります。
例えば、ある程度のやる気をもって
行動していたことにご褒美の設定を追加して
やる気をより高めようとご褒美の設定を
追加することはないでしょうか。
するといつのまにかご褒美をもらうことが
目標になってしまい、
それまであったやるきが低下して、
その結果行動力はある程度上がったとしても
創造性がおさえられたりといったことに
なりやすいのです。
ご褒美は一度設定したら、
簡単には設定をやめられなくなり、
ご褒美をもらうことが目標になるため
ご褒美を獲得するために最短で簡単な
やり方を選ぶようになります。
行動を継続してもらいたい場合や
創造性を高めたいなどの行動成果を求める場合には
このご褒美という設定は適切ではないので
安易にご褒美の設定を取り入れるべきでは
ないのです。
内発的動機づけは、豊かな経験、概念の理解度の深さ、
レベルの高い創造性、よりよい問題解決を導きます。
一方、外発的動機づけは内発的動機づけや課題の遂行を
低下させたり、創造性や概念理解、柔軟性を
必要とするような課題の成果にマイナスの効果を
もたらすことがあります。
内発的動機づけ、外発的動機づけ
それぞれの効果を考慮した上で
自分の望むものにとって適切な動機づけを
選択しましょう。
もし外発的な圧力が大きい場合には
自律的な箇所を自ら膨らますなどの
内発的動機づけを高める取組みをするなど
考慮してみましょう。
参考図書
人を伸ばす力-内発と自律のすすめ
エドワード・L・デシ+リチャード・フラスト 著