経験から学ぶために必要な3つの要素の2つ目は
リフレクションです。
リフレクションとは、
起こった事象や自身の行為を
内省すること、すなわち振り返ることです。
今回はリフレクションについてふれてみましょう。
リフレクションが成長に重要な2つの点
- リフレクションすると経験を整理して意識づけられる
行為の後で振り返ることによって、
学んだことや得た教訓を頭の中で整理し、
意識づけることができる。 - リフレクションすると経験から多くを学べる
振り返りをすることにより
経験したことが意識されるため
経験からより多くの教訓を引き出すことができる。
また意識して行動するため学んだことを
より定着できる。
リフレクション系の学ぶ力を高める3つのこと
- 行為の中で内省すること
- 他者からフィードバックを求めること
- 批判にオープンになり未来につなげること
1.行為の中で内省すること
行為の中で内省するとは、
仕事の意味や背景・やり方などを
これで良いのか、より良くできることはないかと
問い続けながら仕事をすることです。
訓練や仕事の最中に問いながら行動すると、
具体的にここの部分がうまくいかなかったとか、
この作業はこうしたらもっとうまくいくかもなどと考えられ、
訓練や仕事の質を上げることができます。
また、訓練や仕事の最中に問い続けながら行うと、
無意識に行動していた時と違い、
のちのリフレクションのときに
鮮明に記憶を蘇らせることができます。
効果的なリフレクションを行うためには
意識的に行動することがとても大切です。
2.他者からフィードバックを求めること
リフレクションは自分でできる部分と、
できない部分があります。
自分でできない部分とは、
自分では気づけない部分のことです。
「自分をもっと知るために」でもふれていますが、
他人が知っていて、自分が知らない自分
ジョハリの窓の盲目の自己です。
効果的なリフレクションをするためには
積極的に他者からの意見やアドバイスなどを
もらえるようにしたいものです。
よりよくしたいと思って意見をもらう姿勢に、
他者もきっと応援してくれるでしょう。
また他者からの意見やアドバイスだけが
フィードバックではありません。
他者の態度や表情、言葉じりなどにも
意味がかくされています。
注意深くかくされているものも考えてみましょう。
ここで重要になってくるのが自分の直感です。
例えば友達と話をしていて相手の表情や仕草、
話すトーンで何か心配事があるように感じて
話を聞いてあげたことってありませんか。
このように何か心に引っかかったことに
意識を向けることが大事です。
私たちは他人が発している情報を
多く受け取っています。
その情報をフィードバックと受け取り、
自分を省みる機会にすることがとても重要です。
3.批判にオープンになり未来につなげること
2.他者からフィードバックを求めるで、
積極的にフィードバックを求めましょうと
書きましたが、他者からもらえるフィードバックが
すべて好意的なものであるとはかぎりません。
自己成長につながるフィードバックは
ほとんどの場合、自分にとって
気持ちの良いものではありません。
なぜなら自己成長につながるフィードバックは
今の自分が感じたり考えたりしていることと
違うことを知らせてくれるからです。
しかし私たち人間は違いを感知すると
自分を脅かす脅威と捉えストレスが
かかるようにできています。
そして自分を守るために
その違いを受け入れないように
してしまいます。
このように自分への批判は
身体の反応が起こるために
気持ちよく受け取ることが
なかなかできません。
他者からの批判を受け入れるには
まずこの身体の反応が起こることを知り、
反応している心を落ち着けることを
意識しましょう。
そして次に他者が自分に批判的に
言っている内容をよく聞きましょう。
その人の批判は自分との
見方や感じ方・考え方の違いを
知らせてくれています。
その人が自分とは違う見方や感じ方・考え方を
している前提でその人に見えていることを
想像してみましょう。
その人の見え方や感じ方・考え方が
自分と違うことは当たり前ですが、
違う見方をしている人がいることは事実です。
自分との違いを認め、
その人の見方や感じ方・考え方を
自分も見えたり考えられたりしたら、
もっと多面的に物事を捉えることが
できるようになります。
自分をより高めるために
今の自分との違いを積極的に
取り入れていきましょう。
リフレクション系の学ぶ力を高めるためには、
行為の中、その後で内省をし、
他者からのフィードバックを
いかに活かしていくかです。
まずはいま行っている行動について
考えることから始めましょう。
松尾 睦 著