自分をもっと知るために
そんなつもりはなかったのにということを
人から言われることはないだろうか。
自分が思いもしなかった反応を
人から受け取ることはないだろうか。
なぜ思いもしないことを人から
言われることになるのか。
それは自分が無自覚に発信している情報を
相手が読みとっているからだ。
それはときに正しいかもしれないし、
誤った情報の場合もあるだろう。
それでは相手はどんな情報を
受け取っているのだろうか。
自分の服装からだったり、
表情・目の動き・身振り・手振り、
声のトーン・話し出すタイミング・話の進め方などから
多くの情報を受け取っているのだ。
そして受け取る相手側は、
この情報と自分の解釈を結び付けて、
理解する。
ジョハリの窓という対人関係における
気づきのグラフモデルがある。
ジョハリの窓とは
自分をどのように公開し、隠蔽するか、
コミュニケーションにおける自己の公開と
コミュニケーションの円滑な勧め方を
考えるために提案さればモデルである。
4つの面から考え、
- 「公開された自己」(open self)
- 「隠された自己」(hidden self)
- 「自分は気がついていないものの、
他人からは見られている自己」(blind self) - 「誰からもまだ知られていない自己」(unknown self)
があるとしている。
コトバンクより
そんなつもりはなかったのにということは
ジョハリの窓の「自分は気がついていないものの、
他人からは見られている自己」(blind self)
にあたる。
私達は無自覚のうちにさまざまな発信をしており、
無自覚だからこそ時に自分に不本意な情報を
発信していることがある。
この無自覚な情報とは何だろう。
それは自分のメンタルモデルによる身体反応である。
私たちの身体は常に反応している。
しかしその反応は意識しないと気づけない。
例えば
誰も知らない場に行った時、
落ち着かない気持ちになることはないだろうか。
初対面の人と話をするのが苦手だと思っている人は
このような場でとても緊張する。
この「初対面の人と話をするのが苦手」という
メンタルモデルがこの緊張を引き起こし、
この緊張が顔と体をこわばらせる。
この時緊張で気持ちがいっぱいになるため、
顔・体がこわばることにまで意識が
向かなくなるわけだが、
周囲の人の目にはこわばった表情の人が見える。
これが無自覚に情報を発信している様子である。
このメンタルモデルによる無自覚な情報は
意識しなければ自分で気づくことが難しいため、
他人から気づかせてもらうことがよい。
しかし、自分のメンタルモデルを認識し、
メンタルモデルによって体の反応が
引き起こされたと認識できないと、
不愉快な気持ちが湧きおこり、
すなおに受け入れることが難しくなる。
無自覚な発信に目を向けるということは
状況をよりよくするためには必要なことである。
人から気兼ねなく
自分が気づけていない情報を伝えてもらう、
そして人からの指摘を素直に聞くということは
とても大事なことなのである。
そのためには気兼ねなく伝えあえる関係の仲間を
持つ必要がある。
気兼ねなく相手から話をしてもらうためには
自分を偽らずに相手と接し、身体の反応に任せた言動に
意識を向けることが大切である。