経験から学ぶために必要な要素①
経験から学ぶために必要な3つの要素に
ストレッチ、リフレクション、エンジョイメントが
あります。
ストレッチとは、
問題意識を持って高い目標や新たな課題に
取り組む姿勢のこと
リフレクションとは、
起こった事象や自身の行為を
内省すること、すなわち振り返ること
エンジョメントとは、
仕事自体に関心を持ち、
やりがいや面白さを感じることで
意欲が高まっている状態、
および仕事をやりきることで
達成感や成長感を感じている状態
今回はストレッチについてふれてみましょう。
ストレッチ系の学ぶ力を高めるステップ3つ
- 挑戦するための土台をつくる。
- 周囲の信頼を得てストレッチ経験を呼び込む。
- できることをテコにして挑戦を広げる。
1.挑戦するための土台をつくる
高い目標や新たな課題に取り組むには、
まずは基礎固めが大事です。
基礎的なことにしっかり取り組むことで
次のステージにとりかかる準備が整うのです。
ところがこの基礎固めをかるく見て、
自分のやりたいことだけをやるという姿勢では、
仕事がうまくこなせないばかりか、
周囲の信頼を得ることもできません。
まずは上司先輩の話をしっかり聞き、
与えられた仕事をしっかりこなし、
仕事の基礎を身につける必要があります。
しかし上司先輩の指示通りにただ漫然と
仕事をするだけでは仕事の基礎は身につきません。
なぜ指示されたようにすることが良いのかを
自分なりに考えることが大事です。
自分なりの視点を持ちながら
仕事に取り組みましょう。
また言われたことを正確にやるだけでは
高い評価は得られません。
上司先輩の指示通りに行いつつ、
期待された以上の仕事をすることが大事です。
例えば指示された時間よりも早く仕上げるとか、
ひと工夫を加えてよりよくするなどです。
ただし必要以上に時間をかけてよりよくすることは
あまり望まれていないことが多く、
信頼を失うことになる場合があります。
時間を意識して素早く行うことが重要です。
ちなみに土台つくりは新人だけの話ではありません。
新しい仕事につく機会はいくつになってもあるものです。
自分のこれまでの経歴・年齢を楯にしていては
新たな学びを十分得ることができません。
真摯に学ぶ姿勢が大切です。
2.周囲の信頼を得てストレッチ経験を呼び込む
実は1.挑戦するための土台をつくることは、
周囲の信頼を得ることにつながります。
与えられた仕事一つ一つをしっかりこなすことで、
自然と「あいつは仕事を任せられる」と
上司・先輩は見てくれるようになります。
ここで重要なのは自分の意思です。
いくら仕事ができても指示されたからやっています
という態度ではあまり高い信頼は得られません。
何にでも前向きに自ら進んで仕事をし、
問題が起こったときに自分のできることを
率先してやる人間に仕事を任せたいと
上司・先輩は思うものです。
特に初めての仕事ではミスやうまくいかないことが
多いものです。その望ましくない状況に
どのように対応するかを上司先輩は見ています。
何か問題が起こった時に自分で解決しようとする
姿勢が大事です。
決して人に頼ってはいけないということではなく
自分が問題解決をするんだという意思を
持つことが重要です。
このような気持ちで仕事に取り組んでいると
周囲は信頼をよせてくれ、新しいことに
チャレンジする機会を与えてくれるのです。
3.できることをテコにして挑戦を広げる。
高い目標や新たな課題に取り組むとき、
どうやって取りかかればいいのだろうと
悩むことでしょう。
私たちはどのようにとりかかればいいのか
わからない状況に直面した時、
なかなか勇気を出して新たな一歩を
踏み出すことができないものです。
そのような時は過去に自分がやってきたことで
活かせる経験はないかと考えてみましょう。
状況は違っても過去の経験を今の状況に
当てはめてみると共通することがみえてきます。
まずは全く新しいことにいきなり挑戦するのではなく
自分の経験から少しでも活かせる部分を探して
そこから始めてみましょう。
全く新しいことはうまくいかない可能性が
高いため自尊心を傷つけてしまいます。
自尊心を傷つけると思い切った行動が
取りづらくなるため、
始めは自分の経験が活かせることから
始めることです。
そして少しずつ結果を出しながら
できる範囲を広げていくと、
より大きな挑戦の機会へとつながるのです。
ストレッチ系の学ぶ力を高めるためには、
まずはしっかり基礎固めをした上で、
自分の仕事をよりよいものにするには
何をすればいいのだろうかと考え、
できることから取り組んでみましょう。
参考資料
職場が生きる人が育つ『経験学習』入門
松尾 睦 著