心に目を向ける⑥
前回は人といい関係を築く時の
話の聞き方(傾聴の仕方)のお話でした。
そこでより良い傾聴をするために
必要なことを知りましょう。
それは次の3つです。
- 共感的理解
- 無条件の肯定的関心
- 自己一致
1. 共感的理解
話を聞くときに、
相手の問題点やおかしなところ、
矛盾しているところを探して、
教えてあげようとしていませんか。
または自分なりの
答えやアドバイスをしなければと
考えていませんか。
ところが相手はそんなことは
あなたに求めていません。
ここで大切なことは、
相手の実感状態を
自分の事のようにわかろうとする姿勢が大切です。
2. 無条件の肯定的関心
傾聴するときに「無条件の」ということが
おきざりになることがあります。
いつのまにかあなたの考えや感情を
相手に押し付けていないでしょうか。
これが強くなると傾聴でなくなります。
例えば、
「嫌だから転職したいんだけど」という相談に対して
転職は大変だよとか、
いい職場にいるんだから、ガマンすべきだよと
自分の意見を押しつけることは、
相手からすれば、求めていることではありません。
そして「嫌だから転職する」というのは
どうも短略的に見えます。
嫌なのはなぜなのか。
本当にそれが嫌だから転職したいのかを
話し手が見直してみるように
声かけをしてあげるといいでしょう。
思考の過程を無条件に傾聴していると
見えていなかったものが出てくるかもしれません。
3. 自己一致
傾聴するときに
話し手に共感しなければいけないと
思いこんでいないでしょうか。
本当は共感していないのに
共感しているように装っていないでしょうか。
共感していないことは話し手に伝わります。
そして共感できないことにも
何か意味がある場合もあります。
相手の感情が伝わってこないことを伝えたり、
どのような実感が伝わってくるかに
目を向けることが傾聴をより深めることもあります。
あいての実感、
自分の実感を大切にしましょう。
参考図書
- 心のメッセージを聴く
実感が語る心理学
池見 陽 著