体の反応から自分を知る
あなたは自分の考えと違う考えを
どれだけ受け入れることができますか。
今回は経験学習の事例をご紹介します。
セミナー運営をする会社経営者と
個人事業主として仕事をしている人の
仕事についての会話から、
個人事業主の方は新たに講演やセミナーなどの仕事を
することになりました。
会社経営者の方はこの仕事は自分が先輩だから、
何か自分の知っている知識が
役立てられるのではないかという
気持ちを持っていました。
ところが話の中で個人事業主は
会社経営者の仕事に対して
「今のやり方ではうまくいかないのではないか。」
と言ったのです。
その瞬間会社経営者は心がざわつき、
自分のしていることがいかに正しいかを
必死に繰り返し説明しました。
そして次にまた同じような状況になった時も
同じように必死で自分がどれだけ正しいかを
説明しました。
この時まで会社経営者は
自分が何をやっているのかを
振り返っていませんでした。
けれど何となく同じことを繰り返していると
感じた経営者の方はこの時のことを
振り返ってみることにしました。
会社経営者は個人事業主の方の
「今のやり方ではうまくいかないのではないか。」
という言葉に反応していたことに気づきました。
その時に経営者に浮かんだ考えは
「この業界のこともわからないのに何言ってんだ。」
「この仕事では私の方がよくわかっている。」など
いろいろな考えが浮かび
結論として
「あいつはこの業界のことがよく分からないんだ。」
「だからわかるように説明しよう。」
となっていたわけです。
しかしこの経営者はこの反応や浮かんだ考えは
本当に正しいのだろうかと問い直してみることにしました。
すると、
私だけが正しいわけではないし、
他の人に見えているものにも
参考になることもあるはずだと
思い直したそうです。
次にまた2人が話をする機会で、
同じような話になったときに、
経営者は話の最中に自分が反応していることに
気づきました。
しかし反応していることに気づくと
反応のままに受け答えしたくないという
思いが沸き起こり、しばらく相手の話に
意識を向け黙ることができたそうです。
そして今自分に起こっていたことを
素直に相手に伝えると
「前から私の話、聞かなかったよね。」
と言われましたが、
それでも相手の話を最後まで聞くことができ、
相手のこれまでの仕事から得た考えから
自分の仕事に活かすことをみつけることが
できたそうです。
経営者がこの経験から学んだことは
・自分の状態が相手との会話に大きく影響する。
・自分が反応している状態での会話は
自分が伝えたいこと以外の部分が多く伝わる。
その後、経営者の方は自分の反応を感じながら
話ができるようになったそうです。
自分の反応に気づく
今回の経営者の方は会話に反応して
相手を説得しようとしました。
人によってさまざまな反応からの
行動パターンがあると思います。
この行動パターンがいいものを生んでいない場合は
行動パターンを自分にとってプラスになるよう
考えてみましょう。
今回のケースでは、
反応からの自分のパターンに気づいたときに、
- 話をやめる。
- 自分の昂ぶっている体の反応を意識する。
- 相手の話に意識を集中する。
を行ったことで、それまでとは違う行動を選択できました。
自分の思いが強ければ
どうしても相手にわかってもらいたいと
思ってしまいます。
すると相手がこちらの期待している
反応を示さないと期待する反応を
引き出そうとします。
このようになると自分と違う意見を
受け入れることはできないですよね。
体の反応がある時には
体の反応に意識を向け、
体の反応のままに行動しないように
することが大切です。
そして自分が何に反応を起しているのかを
考えてみましょう。
すると、もしかしたら自分の偏った見方に
気づくことができて、
より良い結果を引き出すことができるかも
しれません。