ストレスとの付き合い方④
ストレスがどのようにおこるのか、
なぜおこるのかをみてきましたが
次にストレスの対処法をみましょう。
ストレスの対処行動を
コーピングといいます。
コーピングにはいくつかの方法が
あります。
コーピングの種類
刺激に対するコーピング
刺激を除去、もしくは軽減する。
- 自力で克服する
ストレス原因を自分の努力で克服する。
仕事能力を高めるなど
- 相手に働きかける
ストレス原因が他人などの場合、
相手に働きかけ、相手の行動を
変えてもらうように促す。
人からのイヤミがストレスの場合に
イヤミをやめてもらうように伝えるなど
- 回避する・逃げる
ストレス対象から逃げる。
気の合わない人から逃げるなど
評価に対するコーピング
刺激(ストレッサー)に対する評価を変え、
ストレスにしないようにする。
- 「過度の一般化」を合理思考に変える
少数の出来事を一般原則として考えるところを
一事をもって万事と考えない。
- 読心を合理思考に変える
勝手に他人の心の中を推測し、決めつけるところを
事実か検証し、収集した情報に基づいて判断する。
- 「べき思考」を合理思考に変える
何事も「こうでなければならない」と決めつけるところを
自分が思っているにすぎないのではと
自分を客観視してみる。
反応に対するコーピング
ストレス反応を鎮める。
- リラクセーション
心身をゆるめること
- ストレッチ
身体各部の筋や腱を引き伸ばすこと
- 自律訓練法
自律神経を調節し、
心身のコントロールを図る。
社会的支援(ソーシャルサポート)というコーピング
他人(機関など)の力を借りて、
ストレスに対処する。
- 刺激を除去・軽減するための社会的支援
問題を他人の力を借りて解決する。
ストレスの対象を他人に排除してもらうなど
- 評価を変えるための社会的支援
他人の力によって、
自分の考え方を変える。
他人と話して自分の考えとは違う意見を聞き、
自分の考えを見直すなど
- ストレス反応と社会的支援
ストレス反応に対して、
他人の力を借りて対処する。
他人に肩を揉んでもらうなど
さまざまなコーピングがあることが
わかりました。
コーピングの効果的な進め方を
知っておきましょう。
コーピングの進め方
- 反応を鎮めるコーピング
感情的になるのではなく
冷静に行動しましょう。
軽く深呼吸などをして
反応を鎮めましょう。 - 冷静に状況分析し、対処の方向性を考える
どのようなコーピングが有効かを冷静に考える。 - コーピングを行う
① 刺激の除去・軽減
② ①が難しければ、評価を変える - どうしていいのかわからない場合は
社会的支援を受ける。
ストレスのある状況をそのままにしても
いいことはありません。
前向きに対処しましょう。
時には逃げることも必要です。
人に助けを求めることも必要です。
身動きとれなくなる前に
一歩進みましょう。
参考図書
ストレスに負けない技術
田中ウルヴェ京・奈良雅弘 著